酒・さけ・SAKE ~人を酔わせてくれる酒とは・・・~



 人はなぜ酒が飲みたくなるのであろうか?


 酒に酔えば、嫌なことが忘れられる。

 後先考えず、爆飲みして日ごろのうさを晴らしたい。

 酔うことで、いい気分になり、ちょっとばかし羽目が外せたりもする。


 酔いたいときに酒を飲む。酒を飲む理由としては一般的なものだ。


 また、酒本来の美味しさをじっくり堪能し、必ずしも酔うことを目的としない人も多い。


 酒に合う旨い肴があれば、他になにもいらない。

 今日の気分、雰囲気で、飲む酒はチョイスする。

 飲む酒により器にもこだわりたい。


 酔うことを目的にしない理由は人により様々であろうが、酒の旨みをより楽しむためということでは、共通した想いがある。




人を酔わせるアルコールを生み出す

 人により飲みたい理由は多岐に渡るとしても、人は酒を飲むと酔う。


「酔っ払い」という少し忌み嫌われる人を指す言葉が、酒を飲み酩酊状態にある人を表すように、程度の差こそあれ、酒を飲むと誰でも人は酔う。


 酒を飲むことで、アルコールが血液によって脳に運ばれ麻痺させる。このメカニズムが人を酔わせるのだ。




 では、酒そのものは、何を原料にどのように作られているのだろうか?


 例えば、ワインのような果実を原料とする酒は、果実(ぶどう)に含まれる糖を、酵母により発酵させエタノールと二酸化炭素に分解することで、アルコール(ワイン)がつくられる。


 また、日本酒のようなでんぷん(米)を原料とするような酒の場合、ワインのようにそのまま酵母を加えてもアルコール発酵してくれない。まずは、でんぷんを糖化させブドウ糖に分解する必要があるからだ。この糖化を行う酵素をアミラーゼと呼ぶ。


 このアミラーゼは、人の唾液や穀物のモヤシ、コウジカビなどに含まれる。

ちなみに日本酒は、蒸した米の表面にコウジカビを繁殖させた「撒麴(ばらこうじ)」を用いて糖化させている。




アニメ映画「君の名は」の口噛み酒

 2016年に公開された新開誠監督のアニメーション映画「君の名は」をご覧になった方はいらっしゃるだろうか。2019年公開の「天気の子」の前作で話題となった作品だ。


 詳しいストーリーは割愛するが、「君の名は」の中で、主人公の宮水三葉がおばあさんに連れられ弟とともに、神社に酒を奉納するシーンが出てくる。


 「どうして、これがお酒になっているの?」


 このシーンで不思議に思われた方はたくさんいらっしゃると思うが、三葉が口に含んだ穀物を何度も噛み、それを吐き出し溜めて放置することで酒が造られていた。


 これは、人の唾液(アミラーゼ)をつかって糖化させ造られていた酒で、口噛み酒と呼ばれ、日本では主に神事の際などに神酒として造られていたが、現在では衛生上の問題もあり造られていない。




日本で愛飲されている様々な酒

 口噛み酒の製法は特別なものだが、日本でも現在では多種多様な酒が製造販売され、多くの方が愛飲されている。



 ワインや日本酒のように、原料となる果実や穀物、米などを酵母によりアルコール発酵させて造られる醸造酒。


 ウィスキーや焼酎のように醸造したものを蒸留させ、アルコール度数を高めた蒸留酒。


 また、リキュールのように、蒸留酒に果実やハーブなどを加え香味を移し、砂糖や着色料を添加し調整した混成酒もある。



 次回は、日本の代表的な酒、日本酒の酒づくりの製法から、作り手のこだわりを探ってみたい。


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