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「日本酒は旨い!」に迫る ~酒造好適米と精米歩合について~

 「美味しい日本酒が飲みたい!」


 決して酒豪ではない私でも、お酒の飲めないワーキングランチの最中に日本酒があればと思うことはよくある。特に日本料理に至っては、お酒をたしなみながら料理をいただくことを前提に、献立が練られていることが多い。



 お酒が料理を引き立て、より味わい深いものに仕立てあげてくれるからだ。




 もちろん、お酒は日本酒だけでなく、最近では日本料理に合うワインなどを提供する料理屋さんも増えてきた。同じ醸造酒ということで、料理をうまく引き立てる役割を果たしているのかもしれない。



 ここに、料理の彩を引き立てる器に盛り付けが成されれば、食事を美味しくいただくという一連のストーリーは完成する。






日本酒は旨いものという道理

 日本酒に限って言えば、「日本酒が旨い」のは当然といえば当然の道理がある。



 日本酒が造られる元はといえば、水と米と米麹である。


 日本という豊潤な国土が育んだ産物で作られており、日本の魂が宿っていると言っても過言ではない。




ここに各酒蔵の確かな技術と各々の創意工夫があり、「日本酒は旨くない」という要素が見当たらないというのが私の思うところだ。



 もちろん、好き嫌いは誰にでもあるし、味を感じるセンサーのようなものも人により違う。日本酒の銘柄により、旨い、旨くないは人により当然あってしかるべきだ。





酒造好適米とは

 ここで、日本酒を形づくる要素の1つ、米について見ていこう。


 日本酒で使われる米は、常時人々が口にしているお米ではなく、日本酒を造るのに適した、「酒造好適米」と呼ばれる米が用いられる。


 言い換えれば、食用の米でお酒を造っても美味しく出来上がらないのだ。



 酒造好適米は、食用の米より米粒が大きく、中心部には心白と呼ばれる白濁したでんぷん質が疎となる部分を有している。この心白があることで、麹菌の菌糸が中心まで繁殖しやすいのだ。その反面、この心白は崩れやすく削りにくいという面も有する。





精米歩合とは

 日本酒を好まれる方は、精米歩合というラベル表記をご覧になっているのではないだろうか。


 この精米歩合は、米をどのくらいの割合で削るかを表記したもので、精米歩合50%と表記されていれば、米粒の半分を削って造られた酒を意味している。



 精米歩合50%だと心白部分までも削りだすことになり、心白外側のタンパク質や脂質等の部分は取り除くため、造られた日本酒はこれらの雑味を感じない、淡麗なすっきりした味わいになる。


 逆に削りだしが30%(精米歩合70%)くらいのものになると、雑味成分が残り、

味わい深い酒が生まれる。




精米歩合は旨い酒の判断基準ではない

 仮に純米酒で精米歩合を見てみよう。精米歩合50%以下のものが純米大吟醸酒、50%超60%以下のものが純米吟醸酒、60%超のものが純米酒と定義される。


 精米歩合が低くなるほど、米粒の大部分が削りだされ原料費は上がる。また、精米する時間、技術、割れるリスクなども考えると、コストは格段にあがっていく。


 大吟醸酒が純米酒より高価なのはそのためで、高いから旨いという道理ではない。

 よって、精米歩合は旨い酒の判断基準には成り得ないのだ。


 むしろ、旨いは、食する料理や飲む人のその時々の好みに委ねるべきだろう。


 酒蔵の銘柄ごとに飲み比べるのもいい、酒蔵によりその特徴は分かれる。そして、冷やで飲むか燗で飲むかによっても味わいは大きく変わる。一般的には、ここでいう、大吟醸、吟醸は冷や、純米は燗が適しているとは言われるが、実際に飲み比べてみるに越したことはない。



次回は、酒造好適酒の米の品種からもう少し掘り下げていきたい。